現在、さまざまな業界から注目を集めるE資格。AIエンジニアとしての実力が証明できる資格として、AIに携わる人ならぜひとも取得しておきたい資格です。
しかし、「AI関連の資格で最高峰の難易度」といわれるだけあって、E資格合格への道は決して平坦なものではありません。
この記事では、E資格受験を志す人のために、オススメの勉強法や使いやすい問題集を紹介します。
E資格の過去問は存在しない?
世の中に存在する資格試験の多くには過去問が存在します。試験の内容は変わっても、その資格を保持するために必要な能力は変わりませんから、問題の傾向は毎年似通う場合が少なくありません。そのため、「過去問は最高の教師」などということもあるように、本気の資格勉強に過去問演習は必要不可欠です。過去問を一通り解くことで実際の試験におけるペース配分などをつかむこともできますね。
しかしE試験の場合は、なんと過去問が存在しないのです。
JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)は、E資格試験における出題内容の漏洩につながる行為を禁止しており、これまで例題や過去問も一切公開されていません。
過去の試験における出題傾向がわからないのはもちろんのこと、120分で100問も解かなければならない試験本番の時間の感覚がわからないのは大きな足かせになりそうです。
そもそもE資格に過去問は必要ない
過去問が存在しないE資格ですが、先輩合格者やセミナー講師の多くは「E資格に過去問があっても意味はない」と言います。それはなぜでしょうか?
E資格のシラバス(出題内容)はJDLAから公表されますが、実はこの内容は毎年のように変化しているのです。
AI技術は日進月歩で発展しているため、新しい技術や知識が次々と生まれています。現在最先端といわれる技術が、半年後には「枯れた技術」になっていることも十分考えられるのです。
E資格はAIの進歩に応じて試験内容を最先端仕様に更新しているため、いくら過去問を解いても実際の試験に役立つ内容は学べないという訳です。
E資格合格のためにオススメの勉強法
それでは、E資格に合格するためには、どのような勉強法が必要なのでしょうか。
ここでは、先輩合格者やセミナー講師の意見をもとに、「合格に一番近づく勉強法」を紹介します。
JDLA認定プログラムをしっかりと理解する
E資格試験を受験するためには、「受験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していること」という条件をクリアしなければなりません。
JDLA認定プログラムは、「ディープラーニング基礎講座」や「AIエンジニア育成講座」といった名称で複数の教育機関や民間企業が実施しており、現在16社ほどの講座が認定されています。教育機関・企業によってプログラムの内容は異なりますが、いずれもAI・ディープラーニングに関する基礎知識を深め、実践レベルまで磨き上げるための内容になっています。
このJDLA認定プログラムは、E資格の受験資格を得るためにも受ける必要がありますが、内容そのものがE資格の受験対策として大いに役立ちます。
E資格に最短距離で合格するためには、JDLA認定プログラムの内容をしっかりと理解することが大切です。そもそも認定プログラムには修了テストが存在するので、これに合格しなければ試験申し込みに必要な修了ナンバーは授与されません。自分に合った講座を選ぶことはもちろん、実際の試験を意識しながら真剣に取り組む姿勢が重要といえそうです。
自分のウィークポイントを鍛えなおす
E資格の出題範囲は、大まかに分けると、「応用数学」「機械学習」「深層学習」です。
数学は線形代数、統計学、微積分、情報理論など、大学教養レベルの知識が要求されます。
文系の人の多くは高校数学Ⅱ・Bまでしか学習していないので、AI学習に必須である数学的思考を身に付ける必要があるでしょう。そのため、AIで使われる数学理論に特化した参考書などを使って、基礎からしっかりと学ぶ必要があります。基礎的な学習は、遠回りをしているようでいて実は一番の近道でもあります。苦手意識や不安な部分がある場合は、徹底的に勉強しなおす姿勢が大切です。
また、JDLA認定プログラムの多くはPythonを使ったプログラミング経験や、NumPy、Pandas、Matplotlib等のデータ処理ライブラリを使った経験がなければ理解が難しい内容となっています。これらについて経験がない場合は、「Python3エンジニア認定基礎試験」や「Python3エンジニア認定データ分析試験」など、個別の試験を先に受けてみるのも基礎学習に役立つでしょう。
AIに関する知識が全くのゼロという人は、E資格よりも簡単で、かつAIに関する基礎的な知識が学べるG検定を先に受けておくのも学習の順序としては良いでしょう。
市販の問題集を活用する
E資格に過去問は存在しませんが、優れた問題集は存在します。
多くのE資格合格者が勧めるのが、スキルアップAI株式会社より出版されている「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」です。
(引用:https://book.impress.co.jp/books/1120101184)
市販のE資格向け問題集としては特に内容の質が高く、2021年5月に改訂されたことによって、最先端の試験内容に対応しています。試験に頻出の問題が網羅されているだけでなく、問題に対する解説が詳しい点も推しポイントです。
実際の試験と同じ多肢選択式の問題があるため、試験の雰囲気もつかみやすいでしょう。また、多肢選択式問題では正答も誤答もていねいに技術解説しているので、一つの問題を解くことでさまざまな知識を吸収できます。
一方で、JDLA認定プログラムのなかには、E資格対策のための問題集を配布している講座もあります。こういった問題集は、講座を実施する会社が、試験傾向の分析をもとに適宜ブラッシュアップしているので、試験対策に最適です。認定プログラムを選ぶ際は、問題集や用語集などの教材が充実しているかどうかも注目しましょう。
E資格に合格するためにオススメの認定プログラム
E資格を受験するためにはJDLA認定プログラムを修了する必要がありますが、自分に合った講座と出会い、理解を深められるかどうかによって合格を達成する可能性はかなり変わってきます。
すでにAIの知識を十分に有する人のなかには、「受験資格を得られれば良いから、とにかく安さ重視で選ぼう」と考える人もいるようです。しかし、大部分の受験者にとって、JDLA認定プログラムの良し悪しはそのまま試験結果の明暗を分けるといっても過言ではありません。質が良く、丁寧なサポートが受けられる講座を見つけましょう。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、AI研究所が実施するJDLA認定プログラムです。
ここでは、この講座のオススメポイントを紹介します。
前提知識は不要
AI関連のセミナーでよくあるケースが、「講座を受講するためには、大学数学や機械学習の知識、Pythonを使ったプログラミング経験が必要で、簡単に受講できるものではなかった」というものです。確かにAIやディープラーニング理論を正しく理解するためには、高度な前提知識が必要です。しかし、AIを学ぶ講座そのものに受講条件が設けられていては、E資格を受験できるのは遠い先の話になってしまいます。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、AIに関する前提知識がない人でも理解できるように、基礎的な内容からスタートしています。受講者の中には、プログラミング経験もあまりない状態から受講を始め、E資格に合格した人も複数存在します。
もちろん講義を受けながら知識は増やしていかなければなりませんが、不安な人には本講義の前段階の「E資格基礎講座(8.5時間)」も用意されているので、数学や機械学習、Pythonの基礎知識を身に付けることが可能です。
本講義においても一人の脱落者も出さないように丁寧なフォロー体制が構築されており、挫折率の高いE資格対策講座のなかでは、驚異の修了率99.2%を誇っています。
教材が充実している
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、教材の充実度にも定評があります。
全572ページに渡るオリジナル教材「E資格完全攻略テキストブック」は、講座が終わった後も参考書として役に立つほど内容が充実しています。また、受講者に配布される「暗記用のテキスト資料」を開始直前まで見直す受講者も少なくありません。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は4日間の講座なので、E資格受験に必要な知識が濃縮されています。そのため講座の内容をしっかり理解できれば、AIエンジニアとしてかなりのレベルまで成長できるでしょう。
とはいっても、やはり講座以外の自習時間をしっかりとつくり、充実した学習ができなければE資格合格は難しいでしょう。「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、自習にも役立つテキストや問題集が配布されるので、付け焼刃ではない「真の」実力を身に付けたい人にはうってつけの講座といえます。
講義のレベルが高い
AI関連のセミナーは近年増加傾向にあり、さまざまな企業が参入しています。しかし、AI技術に関して高度な理解がなければ、わかりやすい講義はできません。AIそのものがまだまだ新しい領域であることから、それを扱うセミナー市場は成熟しているとはいいがたい状況です。そのため、AI関連のセミナーはまさに玉石混交といって良く、アタリ・ハズレのあるものだと認識しておきましょう。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、AI研究所によって実施されています。
株式会社VOSTは、AIをはじめとしたさまざまな技術を社会に実装すべく、技術コンサルタント事業をメインに展開する会社です。教育事業への参入理由も、優れた技術や知識をブラックボックス化させず、社会に定着させることで貢献していきたいという想いからでした。
そのため、AI研究所が採用する講師は、現役のAIエンジニアであることはもちろん、高度な知識をわかりやすく伝える能力に長けていることを第一に選んでいます。講座の監修には、特別技術顧問として慶応義塾大学・栗原教授を招き、AIの本質が理解できる構成を目指しているほか、必要に応じて講義内容を改良し、洗練させ続けています。
このように、講義の質で考えるなら、「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」にはかなり期待できるかもしれません。
出題傾向を見極めた模試が受けられる
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」には、試験直前フォローアップ講座 + 模擬試験が付属しています。
過去の出題傾向をもとに作成された問題演習に取り組みながら、模擬試験の正答率70%を目指します。この模擬試験は、実践形式に則した全119問で構成されており、過去問が存在しないE資格の学習において、過去問をはるかに上回る学習効果が期待されています。
E資格に合格した受講者からも、模擬試験と類似した内容が実際の試験でも出題されたという声が聞かれており、問題集まで合わせると半数は講義で見たことのある問題が試験に出ていたという声もあります。
正しい学習方法で最短距離の合格を目指そう
E資格の合格率は70%ほどであり、資格試験の中では高い方ですが、試験の内容は簡単なものではありません。試験を受ける以前に、受験資格取得のために必要なJDLA認定プログラムをしっかりと修了できるかどうかも大きなハードルになっています。
講義をなんとなく聞いて、なんとなく合格できる資格とは思わない方が良いでしょう。
E資格に最短距離で合格するためには、自分に合ったJDLA認定プログラムを選び、実力をつけながら、かつ自分自身でも学習していく姿勢が重要です。E資格には過去問が存在せず、問題集もそれほど多くないため、教材やサポート体制の充実度をしっかりと判断して、講座を選ぶようにしましょう。