E資格試験に必須な応用数学で押さえておきたいポイント!

E資格試験に必須な応用数学で押さえておきたいポイント!

数学に知識が必要な試験には電験三種(第三種電気主任技術者)、G(ジェネラリスト)検定試験、E資格など様々あります。
その中でもE資格とは、ディープラーニングの基礎知識を身に付け、エンジニアを目指す人のが取得を目指す資格です。合格するためには数学も知識を始め、AI関連の知識を習得する必要があります。E資格のシラバスにある必要な知識は、応用数学、機械学習、深層学習に分かれます。では、具体的にどのような問題が出され、それに伴う知識を身に着ければ良いのか、応用数学の視点から詳しくみていきましょう。

効率化を図る「線形代数」

E資格対策の勉強の進め方は、まず線形代数から行うことをおすすめします。何故なら、機械学習を学ぶ上で最も必要な科目だからです。機械学習とは、AIが元となる知識から物事をパターンに当てはめて分析し、予測できるようにプログラムする技術のことです。例えば、たくさんの画像データから特定の人物を見つけ出したり、顧客の購買履歴から興味を持ちそうなリストをピックアップしたりすることができます。AIに機械学習をさせるには、始めに膨大な知識を記憶させるため、たくさんの計算式が必要になります。線形代数は、計算式の表記を簡略化し、短縮することができるので、入力時間の削減や分かりやすさに繋がります。また、AIが一度に処理できる情報が増えるため、効率よく学習させるためにも必要な知識となります。

そもそも代数とは、XやYなどのアルファベットで記述されることが多く、それぞれに数字を当てはめることで、複数の計算式をまとめて表すことができます。その代数をさらに簡略化させたものが、線形代数です。プログラミングにおいても、記述する情報量が多いものや使用頻度が高いものを、タグなどで省略して書くことが多く、膨大な情報を簡略化するという考え方が線形代数と共通しています。また線形代数のしくみや理論は、プログラミングにも活かされており、特にPythonは、複雑な内容でもシンプルで使いやすい特長を持っています。そのため、線形代数を理解することは、AIのしくみを理解することと同様と言っても過言では無いのです。

E資格に必要な数学科目とは?押さえておきたい数学のポイント!

誤差を最小限にする「微分・積分」

E資格に必要な応用数学一つに、微分積分があります。AIに機械学習させる際には、実際の値と、予測した値との誤差を最小限にすることも重要です。そのためには、微分積分の計算式から関数の傾きを求め、値を0に近づけることが必要になるのです。

微分とは

関数をグラフ化すると一定の傾斜を持つ直線になります。この傾斜を求める計算を微分と言います。傾きを算出できれば、数値の変化の割合を求めることでができます。スタート地点とゴール地点の2点の傾きを測ることで、傾斜を把握し、さらに幾つかの中間地点との傾斜と比較することで、より正確な数値を割り出すことも出来ます。つまり、限りなく0に近い値を求めれば、精度の高いAIを作り出すことが可能なのです。

積分とは

積分とは、微分から作られた領域の面積を算出することです。傾斜は完全な直線ではないため、一辺として計算すると誤差が生じるため、面積を棒グラフのように細かく分けて計算し、全体を足すことで数値化します。細かく分けるほどに、実際の面積との空白が埋まり、より正確な数値が導き出されるため、微分と合わせて必要な知識です。

計算し数値化する「確率・統計」

確率と統計は、機械学習において、より精度の高いデータを出すために必要な知識です。機械学習では、データの分析や処理を行う際に、確率や統計が用いられることが多く、基礎知識を身に付けておくことで機械学習の知識を深めることができます。

確率とは

確率を用いる機械学習では、AIが予測したパラメーターの信用度を計算し、数値化します。例えるなら、6面体のサイコロを振る際に、それぞれの目が出る確率は6分の1ですが、振る回数や条件も計算に入れ、より正確な確率を導き出すようなやり方のことです。また、数値化することで、AI同士を性能を比較することもできます。データをアップデートして実証を繰り返すことで、より正確度を増すこともできます。

統計とは

統計には、記述統計と推測総計の2つの種類があります。記述統計では、収集したデータの分散の度合いや平均値を把握し、その傾向や性質を推測する方法のことです。例えば、2組のクラスのテストの成績を比較する場合、テストの点数の一覧表を表示しても分かりづらいですが、1クラス分のテストの点数を合計し、クラスの人数で割った平均点で比較すれば、分かりやすくなるといったやり方です。推測総計とは、収集した一部分のデータを分析し、全体を予測する方法のことです。具体的には、あるクラスの勉強時間とテストの点数のデータを分析し、別のクラスの勉強時間からテストの点数を予測するといったやり方です。

E資格に必要な数学科目とは?押さえておきたい数学のポイント!

E資格に必要な応用数学とは

E資格に必要な応用数学は、線形代数と、微分・積分と、確率・統計です。線形代数は、AIの処理を簡略化し効率化を図るために必要な知識です。微分・積分は、関数の傾きを求め、誤差を最小限に近づけるために欠かせません。確率・統計は、より正確な確率を割り出したり、一部のデータから平均値や予測した数値を割り出すために不可欠な知識です。
数学の学習に不安のある人は高校の数学の参考書を読み返してみたり、E資格の受験資格を得られる認定講座の中で講師の方にたくさん質問しながら身につけてみるのもいいと思います。