ビッグデータを活用することに注力する企業が増えてきた関係で、データサイエンティストの需要が高まってきています。日経クロストレンドの独自調査によると、データサイエンティストの求人件数は年々増えています。
この記事を読んでいる方の中には、「データサイエンティストのキャリアを磨きたい」と思っていることでしょう。そこで、今回はデータサイエンティストに関する資格を8種類をご紹介します。
データサイエンティスト検定
出典元:『データサイエンティスト検定』
データサイエンティスト検定とはデータサイエンティスト協会が認定している資格です。
アルゴリズムや統計などを活用してデータを分析して、結果に基づいて合理的な判断が行える能力を保有していることを証明できます。
この資格は、2021年9月に第1回目の試験が実施されるなど、比較的、新たな資格です。
試験情報
試験時間 | 90分 |
問題数 | 90問 |
出題形式 | 選択式 |
出題範囲 |
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試験会場 | 全国の試験会場で開催(CBTS) |
受験資格 | 特になし |
受験費用(税抜) |
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試験の難易度・合格率
データサイエンティスト検定の合格率は以下の通りです。
第1回 | 第2回 | |
受験者数 | 約1400名 | 約2900名 |
合格者数 | 927名 | 約1453名 |
合格率 | 約66% | 約50% |
基礎力を証明する資格ですが、出題範囲が広いため、試験の難易度は高めです。
また、新しい資格試験のため、参考書や講座が少なく、勉強しづらいと感じる恐れがあります。
基本情報技術者試験
出典元:『基本情報技術者試験』
基本情報技術者試験とは、ICTや情報処理の分野の国家試験です。
情報処理技術に関する基本的な知識・技術を有していると国が認定してくれます。
IT業界への登竜門として人気の国家試験です。大手システム開発会社では、入社後2~3年目までに合格が義務付けられていることがあります。
試験情報
試験時間 | 科目A試験:90分
科目B試験:100分 |
問題数 | 科目A試験:60問
科目B試験:20問 |
出題形式 | 小問形式 |
出題範囲 | 科目A試験
科目B試験 |
試験日程 | 通年受験可能 |
試験会場 | 全国の試験会場で開催(CBT) |
受験資格 | 特になし |
受験費用 | 7,500円 |
試験の難易度・合格率
基本情報技術試験の合格率は以下の通りです。
2022年11月実施 | 2022年10月実施 | |
受験者数 | 45,618名 | 9,882名 |
合格者数 | 15,919名 | 3,861名 |
合格率 | 34.8% | 39% |
4割程度の受験者が合格をしており、難易度は高いです。
プログラミングやアルゴリズムの知識が求められるため、よく勉強しておく必要があります。
OSS-DB技術者認定試験
出典元:『OSS-DB技術者認定試験』
OSS-DB技術者認定試験とは、オープンソースデータベースに関する知識と技術を保有していることを証明できる資格です。保有している知識を活かして、どのようなデータベースを構築、運用していけばいいか提案できるようになります。OSS-DBには「Silver」や「Gold」の2通りの資格があります。
試験情報
試験時間 | Silver:90分
Gold:90分 |
問題数 | Silver:50問
Gold:30問 |
出題形式 | 選択方式 |
出題範囲 | Silver
Gold
障害対応 |
試験日程 | 志願者のスケジュールの都合に合わせて受験できる |
試験会場 | 試験センター
オンライン受験(onVUE受験) |
受験資格 | Silver:
Gold: |
受験費用(税込) | Silver:16,500円
Gold:16,500円 |
試験の難易度・合格率
OSS-DB技術者認定試験の合格率は非公開となっています。
しかし、インターネットアカデミーはOSS-DB技術者認定試験のSilverの合格率は70%だと述べています。
Goldの合格率は記載されていませんが、エンジニアの方なら2週間から1ヶ月ほど勉強すれば合格できる難易度と理解しておくとよいでしょう。
統計検定
出典元:『統計検定』
統計検定とは、統計に関する知識や技術を持っていることを証明する資格です。
医療・金融・研究開発・市場調査などあらゆる分野で情報を適格に読み取れるようになり、問題を解決していけるようになります。データサイエンティストへの登竜門として人気の資格です。
検定種別は豊富にありますが、データサイエンティストを目指している方は「DS基礎」「DS発展」「DSエキスパート」がおすすめです。
試験情報
試験時間 | DS基礎:90分
DS発展:60分 DSエキスパート:90分 |
問題数 | DS基礎:大問8題/小問45題
DS発展:30門 DSエキスパート:40門 |
出題形式 | 多肢選択・数値・文字入力で問題に答える形式 |
出題範囲 | ・DS基礎
キーコンピテンシーをデータアナリティクス基礎 ・DS発展 数理、情報、統計、倫理・AIに関する大学教養レベルの内容 ・DSエキスパート 計算、統計、モデリング、領域知識に関する大学専門レベルの内容 |
試験日程 | 年2回(春・秋) |
試験会場 | 随時受付(CBT) |
受験資格 | 特になし |
受験費用 | DS基礎:一般価格:7,000円/学割価格:5,000円
DS発展:一般価格:6,000円/学割価格:4,000円 DSエキスパート:一般価格:8,000円/学割価格:6,000円 |
試験の難易度・合格率
統計検定(DS)の合格率は公表されていません。なぜなら、DSは実施してから間もないためです。
試験概要には、大学専門レベルの内容と記載されています。
DSエキスパートは難易度が高いと思って挑むようにしましょう。
統計士・データ解析士
出典元:『統計士・データ解析士』
統計士・データ解析士は内閣府移行許可一般財団法人実務教育研究所が実施している認定資格です。
一般的な筆記試験とは異なり、通信教育(テキストとCD-ROMで学習して、課題を提出する)を修了すると統計士の資格を取得できます。
試験情報
受講機関 | 4ヶ月 |
入学金(税込) | 5,000円 |
受講料(税込) | 49,500円 |
修了条件 | 全4単位の報告課題、修了課題を提出して基準点をクリアする |
試験の難易度・合格率
統計士・データ解析士の合格率は23.6%と高めです。この試験では、大学生が学ぶ統計学のレベルとなっています。そのため、高校の数学は理解しておく必要があります。
高校の数学が理解できないという方は、非常に難しく感じてしまうでしょう。
そのため、統計士・データ解析士の資格を取得する前に勉強しておくことをおすすめします。
データベーススペシャリスト試験
出典元:『データベーススペシャリスト試験』
データベーススペシャリストとは、経済産業省が認定している国家資格で、情報処理技術者試験の1つです。データベースに関する専門家として、システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守ができることを証明できます。
試験情報
試験時間 | 50分 |
問題数 | 午前Ⅰ:30問
午前Ⅱ:25問 午後Ⅰ:3問 午後Ⅱ:2問 |
出題形式 | 午前Ⅰ:多肢選択式
午前Ⅱ:多肢選択式 午後Ⅰ:記述式 午後Ⅱ:記述式 |
出題範囲 |
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試験日程 | 年1回(秋) |
試験会場 | 指定会場(全国) |
受験資格 | 特になし |
受験費用 | 7,500円 |
試験の難易度・合格率
データスペシャリストの合格率は以下の通りです。
令和3年度 | 令和2年度 | |
受験者数 | 7,409名 | 6,536名 |
合格者数 | 1,268名 | 1,031名 |
合格率 | 17.1% | 15.8% |
試験問題が多く、午後の部は記述式のため、合格率は10%程度と低くなっています。
そのため、非常に難易度の高い資格と言えます。
G検定
出典元:『G検定』
G検定とは、人工知能・機械学習・ディープラーニングに関する基礎知識や応用知識を保有していることを証明できる資格です。AIを活用して、どのようにビジネスを効率化していけばよいか判断できるようになります。一般社団法人日本ディープラーニング協会が認定している資格で、取得すればコンサルティングなどの仕事ができるようになります。
試験情報
試験時間 | 120分 |
問題数 | 200問 |
出題形式 | 多肢選択式 |
出題範囲 |
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試験日程 | 年5回(3月・5月・7月・9月・11月) |
試験会場 | オンライン受験 |
受験資格 | 制限なし |
受験費用(税込) | 一般:13,200円
学生:5,500円 |
試験の難易度・合格率
G検定の合格率は以下の通りです。
2022#3 | 2022#2 | |
受験者数 | 7,502名 | 6,398名 |
合格者数 | 4,964名 | 3,917名 |
合格率 | 66.17% | 61.22% |
6割以上の受験者が合格をしており、難易度は比較的易しめになっています。未経験者でも合格できる資格です。
E資格に関して詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『E資格とは?JDLA協会が認定するAIエンジニア資格を徹底解説』
E資格
出典元:『E資格』
E資格とは、ディープラーニングの理論を理解して、実装できる能力を証明する資格です。
一般社団法人日本ディープラーニング協会が認定しています。
同協会はAI実装を牽引できる人材を輩出するためにE資格を主催することにしました。
試験情報
試験時間 | 120分 |
問題数 | 100問 |
出題形式 | 多肢選択式 |
出題範囲 | 応用数学
深層学習 機械学習 開発・運用環境 |
試験日程 | 年2回(2月・8月) |
試験会場 | 指定の試験会場 |
受験資格 | 認定プログラム修了証 |
受験費用 | 一般:33,000円
学生:22,000円 会員:27,500円 |
試験の難易度・合格率
E資格の合格率は以下の通りです。
2023#1 | 2022♯2 | |
受験者数 | 1,112名 | 897 |
合格者数 | 807名 | 644 |
合格率 | 72.57% | 71.79% |
7割以上の受験者が合格をしていますが、AIエンジニアや研究者が受験しているため合格率が高くなっています。AI関連の仕事をしたことがない人の合格率は極めて低いため、難易度は高いと認識しておきましょう。
E資格に関して詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『E資格とは?JDLA協会が認定するAIエンジニア資格を徹底解説』
Python3 エンジニア認定データ分析試験
出典元:『Python3 エンジニア認定データ分析試験』
Python3 エンジニア認定データ分析試験とは、Pythonを活用してデータ分析できる能力を証明できる資格です。統計学だけでなく、Pythonについても問われるため、データエンジニアとしてキャリアアップしたい方におすすめの資格となっています。
試験情報
試験時間 | 60分 |
問題数 | 40問 |
出題形式 | 選択式 |
出題範囲 |
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試験日程 | いつでも可能 |
試験会場 | CBT |
受験資格 | 特になし |
受験費用(税込) | 一般価格:11,000円
学割価格: 5,500円 |
試験の難易度・合格率
Python3 エンジニア認定データ分析試験は以下の通りです。
2021年 | |
受験者数 | 3,158名 |
合格者数 | 2,726名 |
8割以上が合格しているため、難易度は易しいと捉えて問題ないでしょう。
AI関連の仕事をしたことがない人は機械学習の勉強が必須となります。
まとめ
データサイエンティスト関連の資格は全部で8種類あります。
ぜひ、興味を持った資格があれば、取得を目指して勉強してみましょう。
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