「人工知能」という言葉を知っていても、具体的に人工知能とはどのようなものなのか理解していない人は多いです。しかし、AI検定はAIをビジネスで活用することができる人材を育成する目的の資格であり、人工知能とはそもそもどんなものなのか理解していないとその後の学習にも影響が出るでしょう。そこでここでは人工知能とは何か、そしてディープラーニングと機械学習はどのように違うのか解説していきます。
人工知能の定義とは?
人工知能はまだ研究段階の物であり、「人工知能とは何か」とははっきり定義されていません。ただし、人工知能には特化型人工知能と汎用人工知能の2種類があり、これらはそれぞれ定義されているので、どんなものなのか見ていきましょう。まず特化型人工知能とは、1つのことに特化して開発されたものを言います。例えば、将棋AIは将棋をする目的、画像認識は画像を判別する目的という1つのことに特化しているので特化型人工知能に分類されます。基本的に現代で開発・研究されている人工知能は特化型人工知能がメインです。
それに対し汎用人工知能とは何でもできる人工知能のことを言います。与えられた情報を元に自分で考えて動くものが汎用人工知能なので、ドラえもんは汎用人工知能に分類できると言えるでしょう。ただし、AIが意志を持ってしまうのは倫理的に良いとはされていません。そのため、汎用人工知能は今後開発されることはあっても実用化されることはないでしょう。
機械学習とディープラーニングはどう違う?
人工知能に関して学んでいると必ず出てくるワードが機械学習とディープラーニングです。これらは似ているようで異なるものであり、違いを理解したうえで学習する必要があります。まず機械学習とは、たくさんのデータの中から規則性を見つけ、指示に従ってタスクを行うもののことを言います。機械学習の例としては、画像認識が挙げられます。例えば、大量の洋服の画像データを用意し、色と洋服の形で画像を識別するシステムを作ります。そして、「赤い洋スカートを選びなさい」と指示することで、検索した結果、大量の画像データの中から赤いスカートの画像を見つけることができます。
機械学習では「色と洋服の形」に着目するようにプログラムを組む人間が指示を出していましたが、ディープラーニングはその着目点を自分で見つけられるようにプログラムを組みます。したがって、機械学習をより発展させたものがディープラーニングと言えるでしょう。ディープラーニングの場合はプログラムをたくさん動かすことで共通点を見つけ、ユーザーが使いやすいように学習していきます。具体的な例としてはAI搭載のお掃除ロボットが挙げられるでしょう。近年発売されているお掃除ロボットは、使用する回数が増えるごとにホコリが溜まりやすい場所の傾向を把握し、その場所を入念に掃除するようになる機能が搭載されている物が存在します。このように、指示しなくても規則性を見つけられるようにプログラムを組むのがディープラーニングです。
人工知能の導入事例は?
人工知能技術は最先端の技術というイメージを持っている人も多いでしょうが、身近なところでもたくさん活用されています。そこで、より深く人工知能とはどんなものなのか理解するためにも、導入事例を理解し、実際に自分が働いている会社などでAI技術を導入する際の参考にしてください。まず挙げられる導入事例が東京海上日動火災保険です。大手の保険会社である東京海上日動火災保険では、毎日たくさんの契約希望者の書類に書かれた内容をパソコンに手打ちで入力する必要がありました。そこで画像認識技術を活用し、書類に書かれた文字を自動的に読み込むことで、業務効率化だけでなく、手打ち作業によるミスを減らすことにも成功しました。
就職活動の現場でもAI技術が活用されています。大手企業だと応募者の数が多すぎて、応募者全員の書類をチェックするのが難しいです。そこでAI採用では一定の基準を設定し、履歴書に書かれている内容をAIが審査して合否を決定しています。このAI採用は1次選考の段階で用いられることが多く、実際にAI採用を導入した企業は従来1次にかかっていた時間よりも75%の作業時間カットに成功しています。
また、クレジットカードの不正利用防止にもAI技術が用いられており、これによって実際にクレジットカードの盗難などによる被害が大幅に減少しています。これに関しては、普段ユーザーがどんな場面でクレジットカードを使用しているのかを把握し、普段と異なる場所でカードが使用されているなどといったことが起こるとカード会社からユーザーに対して連絡が入るシステムとなっています。このように、AI技術は私たちの生活の中で様々な場面で活用されています。
人工知能技術は常に進歩している!最新情報を常に追おう!
2010年代に入ってから一気にAIの注目度が上がり、大幅な進歩を遂げています。AI技術の進歩はかなりハイペースであることから、常にAIに関する最新のトレンドを把握しておかないと気づかない間に置いて行かれるでしょう。AIに関わる仕事をするにあたってはトレンドを把握することも重要です。最先端のAI技術に普段から触れ、最先端技術を使いこなせるエンジニアを目指しましょう。