一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が行っているE資格は、現役のAIエンジニアからも人気の資格です。この検定の勉強をするうえで、ぜひとも押さえておきたいのがシラバスです。E資格の問題は、基本的に人工知能(AI)に関連する知識に基づいた内容で、公式のシラバスに記載されている分野から出題されます。シラバスの概要や試験範囲となっている機械学習の単元について、ここでは紹介してみましょう。
E資格のシラバスは公式ホームページでチェックができる
E資格の試験範囲になっているシラバスは、日本ディープラーニング協会(JDLA)の公式ホームページで閲覧することができます。E資格の受験をするときは、このシラバスが勉強のベースになってくるでしょう。
E資格のシラバスは4つの項目にわかれている
E資格のシラバスは、応用数学、機械学習、深層学習、開発・運用環境の4つの項目にわかれています。それぞれの項目にはさらに細かい単元があり、ニュートラルネットワーク理論や分析手法などが試験範囲に挙げられています。公開されているシラバスでは、試験範囲の単元もすべて一覧することが可能です。人によっては難易度が高く感じる分野かもしれませんが、具体的にどのような内容を学習すれば良いかを知りたいときは、最初にシラバスをチェックするのが第一歩です。
機械学習の平均点は60点前後
日本ディープラーニング協会(JDLA)が公開している情報によると、E資格で出題される機械学習の問題の平均点は、例年60点前後です。年によって点数は多少前後しますが、毎年6割程度の正解率を得ているようです。平均点が60点を超えている年も多く、この項目である程度正解ができていないと、E資格の合格自体が難しくなる可能性があります。ちなみに、応用数学や深層学習などの項目も、平均点はほぼ60点を超えています。検定の合格を目指す場合は、すべての試験問題の6割以上に正答できるように対策を立てておく必要があるでしょう。
機械学習のシラバスには2つの項目がある
シラバスの機械学習の単元には、「機械学習の基礎」と「実用的な方法論」の2つがあります。試験を受ける前には、それぞれの単元の内容をチェックしておきましょう。
「機械学習の基礎」の内容
日本ディープラーニング協会(JDLA)が公開している2020年のシラバスでは、「機械学習の基礎」の単元に9つの中単元が挙げられています。中単元にはさらに細かい小単元が設けられており、学習の内容が紹介されています。たとえば、「学習アルゴリズム」の中単元に設けられているのが「タスクT」と「性能指標P」、「経験E」の3つの小単元です。また、「教師あり学習アルゴリズム」の中単元には、「ロジスティック回帰」や「サポートベクトルマシン」、「最近傍法、k近傍法」の3つの小単元があります。
「教師なし学習アルゴリズム」の場合は、「主成分分析」と「k平均クラスタリング」などの小単元が設けられています。勉強を行う際には、ロジスティック回帰分析などの分析手法についてもしっかりと学習をしておく必要があるでしょう。
「実用的な方法論」の内容
2020年のシラバスで紹介されている「実用的な方法論」の中単元は、「性能指標」と「ハイパラメータの選択」の2つです。「ハイパラメータの選択」には、「グリッドサーチ」や「ランダムサーチ」などの4つの小単元があります。「手動でのハイパラメータ調整」や「モデルに基づくハイパラメータの調整」なども、小単元のひとつです。
2019年と2020年のシラバスの違い
E資格のシラバスは、途中で改正が行われることがあります。実際、2019年と2020年のシラバスは、内容に少し違いがあります。機械学習の項目で挙げられている単元の内容も、2019年と2020年とでは若干違っているようです。
2020年に削除された「機械学習の基礎」の単元
2020年には、2019年のシラバスで紹介されていた小単元がいくつか削除されています。たとえば、2020年の「深層学習の発展を促す課題」の中単元では、2019年のシラバスで紹介されていた小単元の「局所一様と平滑化」がなくなり、「次元の呪い」のみが小単元に挙げられています。
2020年に削除された「実用的な方法論」の単元
2020年の「実用的な方法論」では、2019年にあった「データの追加収集の判断」の中単元がなくなりました。2020年の「実用的な方法論」の中単元は、「性能指標」と「ハイパラメータの選択」のみです。
シラバスは毎年チェックするのがベスト
E資格のシラバスは、機械学習の項目に限らず、年によって単元が削除されたり新たに追加されたりすることがあります。前年度にあった小単元や中単元が削除されている場合は、ポイントを絞って学習が進められるかもしれません。勉強の効率をアップするうえでも、E資格の受験対策をするときには、最新のシラバスをチェックしておくのがベストでしょう。前年度との改正点などは、できるだけ早く確認しておきたいところです。
専門性が高いE資格はしっかりと勉強をしてから受験しよう
ディープラーニングを実装するスキルが問われるE資格は、付け焼き刃の勉強ではなかなか合格するのが難しいかもしれません。E資格の受験資格を得るために受講するJDLA認定講座でも機械学習の分野に特化したプログラムがありますので、自分のスタイルにあった認定講座を受講しましょう。
E資格試験では、専門的な知識も多く問われるため、勉強は早く始めたほうが有利になるでしょう。この試験は、公開されているシラバスが出題範囲です。合格に必要な実力を身につけられるように、内容をしっかりとチェックして学習プランを立て合格を目指しましょう。