E資格はどうやって勉強すればいい?合格まで最短距離の勉強方法を解説

E資格はどうやって勉強すればいい?合格まで最短距離の勉強方法を解説

経済社会におけるさまざまな領域でAIの活用が進むなか、AIエンジニアの需要はますます高まっています。そんなAIエンジニアが高度な実力を外部に証明できる資格として、E資格が注目を集めています。しかし、「AIに関連する資格の最高峰」と呼ばれるだけあって、E資格の難易度は高く、合格までの道のりは決して平坦ではありません。

E資格合格者たちはどのような学習法で合格を勝ち取ったのでしょうか。この記事では、E資格の概要と、合格者の声をもとに分析した適切な学習方法を紹介します。

E資格はどんな資格?

E資格は、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が実施するAIに関する資格試験です。国内の人工知能の資格試験としては最高難易度といわれており、E資格に合格するためには、ディープラーニングの理論を正確に理解し、適切な手法で実装する能力や知識が求められます。

AIやディープラーニングの技術は発展目覚ましく、現在最先端とされている技術も数か月後、半年後には古い技術になる可能性がある世界です。そのため、E資格試験のシラバス(出題範囲)は頻繁に変更され、最先端の技術をキャッチアップしていかなければ合格できない構成になっています。合格者は「JDLA Deep Learning for ENGINEER 2021#1」のように試験名称とともに資格認定されるため、合格者の知識レベルがすぐにわかるようになっています。

このように、E資格は難易度の高さから、AIエンジニアとして実力を外部に証明するにあたっては最適な資格となっています。転職サイトに掲載されているAIエンジニアの求人票でも、E資格保持者を優遇しているものが多く見受けられます。

【E資格試験の概要】

2022年11月現在、JDLAは以下の試験概要を公表しています。

試験時間 120分
出題形式 多肢選択式・100問程度
試験会場 各地の指定試験会場にて受験可能。申し込み時に、希望会場を選択する。
出題範囲 JDLA認定プログラム修了レベル
受験費用 一般:33,000円(税込)、学生:22,000円(税込)、会員:27,500円(税込)

E資格の難易度はどれくらい?

E資格はとても難しい資格試験ですが、実は合格率は7割以上と高めです。2022年8月に行われた試験でも合格率は71.79%でした。それでは、E資格試験の難しさのポイントはどこにあるのでしょうか。

受験資格が必要

E資格試験を受験するためには、「過去2年以内にJDLA認定プログラムの受講を修了していること」という条件をクリアしなければなりません。試験予約時に、認定プログラムの受講修了を証明する「修了者ナンバー」と「認定プログラム事業者名」「修了日」の入力が必要となっています。

JDLA認定プログラムは、「AIエンジニアリング講座」や「ディープラーニング講座」といった名称でさまざまな教育事業者や企業が実施しています。JDLAが認定推奨しているプログラムであればどの講座を受講しても受験資格を得ることが可能です。

しかし、JDLA認定プログラムは修了テストに合格しなければ修了ナンバーをもらえないため、内容をしっかりと理解する必要があります。いわば、E資格試験の一次試験のような位置付けなのです。JDLA認定プログラムそのものもハイレベルな内容であるため、修了テストに合格した人はAIに関してかなりの知識を持っているといえます。

E資格試験の合格率が高いのは受験者のレベルが高いからであって、試験の内容が簡単という訳ではないのです。

前提知識が必要

E資格試験の出題範囲は、応用数学、機械学習、深層学習、開発・運用環境の4科目です。
E資格試験に合格するためには、「AIの背景を読み解き、状況に応じて適切なライブラリを選択し、実装していく能力」が求められます。AIを実装するだけでなく、ディープラーニング理論を深く理解するために、学術的な知識が必要とされます。

JDLA認定プログラムのなかには、応用数学や機械学習の知識、Pythonの使用経験がなければ受講できないものも存在します。事前にテストに合格しなければ受けられない講座もあるため、注意が必要です。

シラバスの頻繁な変更

AI技術の進歩に合わせ、E資格のシラバスは1~2年ごとに変更されます。直近では2021年9月17日と同年10月11日の2回にわたり大幅な改訂が公表されました。
今回の大きな変更点は、フレームワーク(PyTorchまたはTensorFlow)を利用した実装が追加されたことです。本質的な理解を求めると同時に、実務的な実装手法の理解についても求められることになります。
そのほかにも、削除されたや追加された項目がありますが、削除されたといってもAI技術の理解に全く必要ないとは言い切れないものが多いため、実際は勉強しなければならない範囲が広がったとも解釈できます。

このように、シラバスの頻繁な変更はE資格の難易度を上げているといえるでしょう。

E資格合格を目指す人のための学習法

E資格試験は、一般的な資格試験のように、参考書を使って勉強し、問題集や過去問を解いて知識を定着させていく、といった学習法では対応できない面があります。

E資格試験に合格するためには、どのような学習法が適しているのでしょうか。

JDLA認定プログラムが重要なカギ

JDLA認定プログラムは受験資格を得るために必ず修了しなければいけません。しかし、JDLA認定プログラムの内容はE資格のシラバスに準拠しているため、E資格試験の出題範囲を効率的に学ぶための重要な機会でもあります。プログラムの内容をしっかりと理解することで、試験に対応する実力が身に付くはずです。

また、申し込めば受講できるJDLA認定プログラムは複数存在しますが、価格も内容もさまざまです。eラーニングで動画を視聴するだけの講座から、eラーニングでも丁寧に質問に応じてくれる講座、前提知識がなければ受講できない講座、試験対策講座が付属している講座まで、各社それぞれに特徴があります。講義や教材のクオリティはもちろんのこと、受講スタイルや模擬試験の有無など、細部まで確認しましょう。E資格に合格するためには、自分と相性の良いJDLA認定プログラムを選ぶことが重要なカギとなるはずです。

苦手分野を克服する

E資格は、学習開始の時点で大学教養レベルの数学や機械学習の基礎知識がなければスムーズに学習を進めることが難しいです。これらの領域に知見がない人や苦手とする人は、参考書や学習講座などを使って別途学習する必要があるでしょう。

特に、文系出身者を悩ませるのが応用数学です。文系の人の多くは高校数学Ⅱ・Bまでしか学習していないので、AI学習には必須である数学の知識が不足している可能性があります。そのため、AIで使われる数学理論に特化した参考書などを使って、基礎から学び直す姿勢が大切です。

また、JDLA認定プログラムの多くはPythonを使ったプログラミング経験や、NumPy、Pandas、Matplotlib等のデータ処理ライブラリを使った経験がなければ理解が難しい内容となっています。これらについて経験がない場合は、「Python3エンジニア認定基礎試験」や「Python3エンジニア認定データ分析試験」など、個別の試験を先に受けてみるのも基礎学習に役立ちます。

AIに関する知識が全くのゼロという人はE資格よりも簡単で、AIに関する基礎的な知識が学べるG検定を先に受けておくのも学習の順序としては良いでしょう。

質の良い参考書・問題集を使う

E資格に関しては、数こそ少ないものの良質な参考書や問題集が市販されています。JDLA認定プログラムを受講しても理解がしづらい部分や、知識を補強しておきたい部分は、専門の参考書が役に立ちます。

また、JDLA認定プログラムの内容はE資格の出題範囲を網羅していますが、E資格に合格するためには自学自習の時間が必要不可欠です。自分の勉強時間を充実したものにするため、良質な問題集は手に入れておきたいものです。

【おすすめのE資格・ディープラーニング関連書籍】

ここでは、現役のAIエンジニアが太鼓判を押す、E資格の勉強に役立つ書籍を紹介します。

①「最短コースでわかる ディープラーニングの数学 」(2019/4/11)

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

(引用:https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/19/273470/

ディープラーニングの理解に必要不可欠な数学知識が学べる参考書です。
高校1年生レベルからやさしく解説しているため、文系出身者やAIに関して知見がない人にもおすすめです。

②最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング

最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング

(引用:https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/21/283980/

フレームワーク「PyTorch」を使用して、ディープラーニングのプログラミングが学べます。ディープラーニングモデルの開発・チューニングまでを学べる内容となっており、学習開始前の事前学習にも最適です。

③「ゼロから作る」シリーズ

ゼロから作るDeep Learning ゼロから作るDeep Learning❷ ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編

「ゼロから作るDeep Learning ―― Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」(2016/9)
(引用: https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117584/ )

「ゼロから作るDeep Learning ❷ ―― 自然言語処理編」(2018/7)
(引用:https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118369/ )

「ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編 」(2020/4/20)
(引用:https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119069/

AIエンジニア必携の書である通称「ゼロつく」シリーズです。第一弾から丁寧に読み込むことで、AIやディープラーニングの基礎から実装まで理解することができます。

④「徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版」

徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版

(引用:https://book.impress.co.jp/books/1120101184

市販のE資格向け問題集としては特に内容の質が高く、試験に頻出の問題が網羅されています。問題に対する解説も丁寧で、一つの問題を解くことでさまざまな知識が吸収できるでしょう。

おすすめのJDLA認定プログラムを紹介

JDLA認定プログラム選びは、E資格試験の合否を左右するといっても過言ではないほど重要です。ここでは、JDLA認定プログラムのなかでも特におすすめしたい講座を紹介します。

【AI研究所】E資格対策ディープラーニング短期集中講座

「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、AI研究所が実施するJDLA認定プログラムです。ここでは、この講座のポイントを紹介します。

前提知識は不要

「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、AIに関する前提知識がない人でも理解できるように、基礎的な内容からスタートしています。不安な人には本講義の前段階に「E資格基礎講座(8.5時間分)」も用意されているので、数学や機械学習、Pythonの基礎知識を身に付けることが可能です。

本講義でも丁寧なフォロー体制が構築されており、挫折率の高いE資格対策講座のなかでは、驚異の修了率99.2%を誇っています。

教材が充実している

「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、全572ページに渡るオリジナル教材「E資格完全攻略テキストブック」や「丸暗記ブック」など、自習にも役立つテキストや問題集が配布されます。また、本講義後には実際の試験を想定した模擬試験を受けることもできます。
実際にE資格に合格した受講者からは、テキストや問題集で詳しく解説されている内容が試験に出たという声が多く聞かれており、教材のクオリティの高さに定評があります。

講義のレベルが高い

AI研究所の講師陣は現役のAIエンジニアであることはもちろん、わかりやすく丁寧な説明が得意な選りすぐりの人選となっています。
AI関連のセミナーは近年増加傾向にありますが、AIエンジニアを名乗るにあたって資格や経歴は必要ないため、講師の質に問題がある講座も散見されます。

AI研究所を運営する株式会社VOSTは、AIをはじめとしたさまざまな技術を社会に実装すべく、技術コンサルタント事業をメインに展開する会社です。教育事業は、優れた技術や知識を社会に還元していきたいという想いから始まっています。本業でAIを扱っている会社ですから、講義や講師の質はどこにも負けない自信を持っているのです。

受講スタイルは3パターン

「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、対面講義/オンライン受講/eラーニングの3パターンのなかから自分に合った受講スタイルが選択できます。eラーニングだけしか選べない講義が多いなか、リアルタイムで講義が進行するプログラムは貴重です。
実際に会場に足を運び、臨場感ある講義を受けた方が集中できるといった声は多く、好評です。

「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」の情報はこちらから

E資格の勉強はそれ自体が成長の機会!力をつけて合格を目指そう

AIエンジニアとしての高度な能力を確固たるものとしてアピールするために、E資格は最適な資格といえます。AIの活用がより進んでいく未来に向けて、活躍の機会も増えるはずです。

E資格試験の勉強は、試験に合格するというだけではなく、AIエンジニアとしての実力を身に付け、成長していくための大切な機会ともいえます。一筋縄ではいかない難易度の高い試験だけに学習に苦労する人は少なくありませんが、必要な知識を一つ一つ確実に学ぶことを意識しながら、理解を深めましょう。