機械学習やディープラーニングに関する基本的な知識は暗記で何とかなる部分が大きいですが、確率・統計に関してはしっかりと数学的な知識を身に着けて計算式の仕組みを理解していないとなかなか解けない問題が多いです。
そこで、今回は、E資格を受験するにあたって、確率・統計の勉強をするのにおすすめの参考書を紹介します。
確率の基本は高校数学が理解できればOK!
E資格の試験で出題される確率・統計を理解するには数学2・B~数学3程度の高校数学を理解する必要があります。そこで、確率の勉強をするのにおすすめの参考書が数研出版『チャート式数学2・B』『チャート式数学3』の2冊です。
チャート式には赤・青・黄色・白があり、赤チャートが最も難易度が高いとされていますが、難しい数式も細かく解説されているので、辞書のような感覚で使えて便利であることから、できれば赤を選ぶと良いでしょう。
チャート式と言えば大学受験の数学対策の定番の参考書として知られていますが、大人になってから確率について振り返るためにも便利です。また、E資格を受験する際は線形代数なども出題されますが、これらの分野も網羅しているので良いでしょう。数学2・Bの内容が難しいと感じたら、1・Aから取り組むのもおすすめです。
数学が苦手な人にもわかりやすい参考書
チャート式は分厚いのが難点であり、数学に割ける時間があまり無いという人もいるでしょう。また、理系の人だとすぐに理解できても、文系で数学の勉強からずっと離れていた、数学が元々苦手などといった人だと難しく感じるかもしれません。そこでそんな人におすすめなのが『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』です。こちらは比較的簡単な問題を中心に例題が用意されており、数学に対して苦手意識がある人でも抵抗なく数学の勉強に取り組めるでしょう。解説も簡単な言葉を用いて行われているため、基礎固めにおすすめです。
統計は慣れることから始めよう
統計は理系学部や経済学部に進学しない限り学ぶ機会がないので、一切統計について学んだことがないという人も多いでしょう。そんな人におすすめの参考書が小島寛之『完全独習統計学入門』です。こちらの参考書は統計学の基本中の基本の部分がまとめられており、一切統計について学んだことが無い人でも挫折することなく学習を進められる内容となっています。内容は基礎的な部分が中心となっているので、E資格を受験するための内容には程遠いですが、統計学を初めて学ぶ人が統計学とは何なのかを理解するためにはおすすめの参考書です。
統計検定の参考書を活用しよう
もう1冊統計を学ぶ際におすすめなのが統計検定2級レベル向けの参考書です。これに関してはどの参考書でも構いませんが、E資格の統計の問題は統計検定2級の問題に似ている傾向があります。ちなみに統計検定2級のレベルは大学1~2年レベルです。E資格に特化した参考書は限られていますが、統計検定対策の参考書はたくさん存在しているので、参考書・問題集を活用してE資格の試験に臨むと良いでしょう。統計に関してせっかく勉強したなら、統計検定には「統計検定データサイエンス基礎」というデータサイエンティスト向けの資格も存在することから、こちらの合格を目指して統計を学ぶのもおすすめです。
データサイエンティストを目指している方は実践系の参考書を
より実践的な統計の知識を身に着けるためには、久保拓弥『データ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC (確率と情報の科学)』も読んでおくと良いでしょう。こちらではベイズ統計学を中心に統計学に触れており、実際にE資格でも出題されるモデリングに関してより深く知ることができます。これまでに紹介した2冊と比べると難易度は一気に上がりますが、それでも実例を用いて解説が行われており、初心者でも読みやすい1冊です。実務を意識した統計学なので、E資格に合格して実際にデータサイエンティストなどとして働く際の参考にもなるでしょう。
JDLA認定プログラムの参考書も活用しよう!
E資格を受験するにあたっては、JDLA認定プログラムを受講することが必須となっています。これまで紹介した参考書はE資格の確率・統計を理解するために必要な知識を身に着けることができるものでしたが、E資格の傾向に基づいて作られたものではないので、E資格対策としては弱いです。それに対して、JDLA認定プログラムの参考書はE資格の出題傾向を把握したうえで作られているものなので、この参考書をしっかりやり込んでおけば、統計や数学分野は問題なくクリアできるでしょう。参考書を何冊も解いたとしても、E資格は問題数が多く、傾向を把握していないと合格が難しいことから、JDLA認定プログラムの参考書にもしっかり取り組んでおきましょう。
対策次第で文系でも合格できる!E資格合格を目指そう!
E資格の受験者はエンジニアや研究者がメインとなっており、統計学や確率に関しても深い知識を持っている人が大半ですが、もちろん文系で数学が苦手な人もE検定の合格者の中にはいます。ただし、この場合は基礎固めができていないとE資格レベルの内容を理解するのが難しいので、基礎固めをしっかり行って合格を目指しましょう。