G検定の過去問を解説! [人工知能編]

G検定の過去問を解説! [人工知能編]

G検定に合格するためには、過去の本試験で出題された問題をあらかじめ復習しておくことも効果的な学習方法です。試験の出題範囲は共通しているので、同じようなタイプの問題が出題される場合もあり、どのような問題が試験に出るのかを事前に確認しておくこともできます。ここでは、g検定で過去に出題された問題の中から、人工知能に関する問題をいくつか取り上げて、詳しく解説していきます。

G検定の過去問で出題された人口知能の問題

G検定で実際に出題された人口知能に関する過去問としては、以下のようなものがあります。

Q.以下の文章を読み、空欄に最もよく当てはまる選択肢をそれぞれ1つずつ選べ。

第一次AIブームは1950年台に起こった。この頃に人工知能と呼ばれたプログラムは(ア)をもとに問題を解いていた。特に、1996年にIBMが開発した(イ)は、チェスの世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフに勝利したことで有名である。しかし、ルールや設定が決まりきった迷路やパズルゲームなどの(ウ)と呼ばれる問題しか解けないという課題があったために、研究は下火になった。

(ア)
1. 知識表現
2. 表現学習
3. 機械学習
4. 探索・推論
(イ)
1. Deep Blue
2. Bonkras
3. Ponanza
4. Sharp

(ウ)
1. A/Bテスト
2. パターンマッチング
3. トイ・プロブレム
4. ダートマスワークショップ

上記の問題はG検定を主催している一般社団法人日本ディープラーニング協会の公式ホームページに記載されているものですが、人工知能の研究に関する近年の動向に関する知識が問われている問題です。最初の問題は、1950年代に起こった第一次AIブームに関する知識が問われていますが、ここではその時代に開発された人工知能が、主にどのような観点から研究されていたのかという知識を、問題として出題しています。

空欄(ア)には、1. 知識表現、2. 表現学習、3. 機械学習、4. 探索・推論のいずれかの選択肢があてはまりますが、正しい解答は4の「探索・推論」です。

この時代の人工知能はまだ、知識表現や表現学習といった高度な表現方法を行うことができるまでには開発されておらず、探索や推論を繰り返して、正しい解答を導き出す人工知能の開発が主にすすめられていました。この問題の答えは、問題文の続きからも推測することができ、問題文の後半ではこうしたタイプの人工知能が、チェスの世界チャンピオンに勝利したと書かれているので、「知識表現」や「表現学習」よりも、「探索・推論」のほうが、解答としてはふさわしいことがわかります。

問題文の後半では、このチェスの世界チャンピオンに勝利した人工知能の名称も問われていますが、空欄(イ)にあてはまる正しい解答は選択肢1の「Deep Blue」です。Deep Blueはアメリカのコンピュータ製造会社であるIBMが開発した人工知能で、チェス専用の人工知能として開発されました。1秒間に2億パターンの先読みができる高い能力があり、対戦相手の過去のデータも参考にして、ゲームを進めることができる能力を持っていました。選択肢2の「Bonkras」と3の「Ponanza」は、いずれも将棋専用の人工知能で、選択肢4の「Sharp」は日本の家電メーカーの名前です。

そして、空欄(ウ)は、迷路やパズルゲームなどが属する問題の分野を問う問題ですが、正解は選択肢3の「トイ・プロブレム」です。

機械学習の具体的手法について問われている問題

G検定では人工知能に関連した問題として、機械学習の具体的手法についての知識を問う問題も出題されています。以下の問題も、実際に過去のG検定で出題されたものです。

Q.以下の文章は、さまざまな機械学習の手法について述べたものである。空欄に最もよく当てはまる選択肢を、語群の中から1つずつ選べ。

機械学習にはいくつかの手法があり、用語の意味を正しく理解する必要がある。学習データに教師データと呼ばれる正解ラベルつきのデータを用いる手法は(ア)と呼ばれ、対照的に正解ラベルがないデータを利用する手法は(イ)と呼ばれる。また、正解ラベルが一部のサンプルにのみ与えられている(ウ)という手法も存在する。
 
1. 教師なし学習
2. 教師あり学習
3. 強化学習
4. 表現学習
5. マルチタスク学習
6. 半教師あり学習
7. 多様体学習

この問題は機械学習の具体的手法を問う問題としては、比較的やさしいレベルの問題です。
空欄(ア)では、教師データと呼ばれる正解ラベルつきのデータを用いる手法の名称が問われていますが、正解は選択肢2の「教師あり学習」です。教師データと呼ばれるラベルつきのデータを用いる、と問題文に書かれているので、人工知能に関する知識がない人でも、正解が「教師あり学習」であることを容易に推測することができます。

空欄(イ)では逆に正解ラベルがないデータを利用する手法が問われていますが、これも、正解が選択肢1の「教師なし学習」であることを簡単に推測することが可能です。

空欄(ウ)はさらに細かい知識が必要になりますが、正しい選択肢は3の「半教師あり学習」になります。正解ラベルが一部のサンプルにのみ与えられているという問題文に当てはまるのは、正解ラベルがついたデータとついていないデータを両方とも扱う、半教師あり学習です。

人工知能や機械学習の幅広い知識が求められるG検定

G検定では人口知能や機械学習に関する幅広い内容の知識が試験で問われます。そのため、試験を受ける前に過去問を一通り解いてみることも効果的な学習方法です。実際に過去問を解くことで、試験の出題傾向なども分かります。例えば、人工知能に関する問題では、人工知能の開発の歴史に関する問題の他、チェスで人間に勝利した人工知能の名称なども出題されています。