G検定の難易度はどの程度?

G検定の難易度はどの程度?

G検定は比較的新しく登場した検定なので、周りに受験している人がおらず、難易度がどれくらいか予測できないという人も多いでしょう。しかし、多少AIに関する知識が身についているから余裕と思っていると足元をすくわれてしまいます。そうならないようにもある程度の難易度を把握してから受験するのが無難です。そこでここではG検定の難易度や勉強時間の目安について解説します。

G検定全体の難易度はどれくらい?

合格率からみる難易度

開催回 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
2017 1,500 1,448 823 56.84%
2018#1 2,047 1,988 1,136 57.14%
2018#2 2,745 2,680 1,740 64.93%
2019#1 3,541 3,436 2,500 72.76%
2019#2 5,387 5,143 3,672 71.40%
2019#3 6,786 6,580 4,652 70.70%
2020#1 6,515 6,298 4,198 66.66%
2020#2 13,528 12,552 8,656 68.96%
2020#3 7,651 7,250 4,318 59.56%
累計 49,700 47,375 31,695 66.90%

G検定は2017年に始まった検定であり、2020年までに計9回の試験が開催されています。やはりどうしても初回はどのような問題が出題されるか予測がしにくいために合格率が56.84%と低い結果になっています。
しかし、その後は対策用の問題集が登場し、どんな問題が出題されるかある程度予測が行くようになり、年々合格率が上昇して2019年度は3回すべて合格率が70%を超えました。
その一方で、2020年度は合格率が60%台と落ち込みを見せています。この結果から2つの要因が考えられます。

  1. 2019年度の合格率を受け、2020年度の問題の難易度を上げた
  2. 合格率だけを見てしっかりとした対策を取らなかった受験者が増えた

多くの資格試験であり得ることですが、前年度の試験結果を受けて難易度を変えている可能性は否定できません。また、2020年はCovid-19の影響で在宅時間が増えたことから、資格取得を目指す方も増えたと考えられます。2020年度第2回の受験者数を見ればその可能性は否定できません。

合格者の職種から見る難易度

参考:一般社団法人日本ディープラーニング教会

受験者に関しては研究職などAI開発に携わっている人が半数程度ですが、残りの半数は販売職や営業職の人など、AI開発に関係ない職種の人であり、開発関連職種でなくても合格することは可能です。したがってG検定の難易度に関しては、対策して取り組みさえすれば問題なく合格できるレベルと言えるでしょう。

 

2019年度の難易度はどれくらい?

2020年のG検定の出題範囲を見てみると、ある程度難易度がわかります。2021年の難易度をある程度予測するためにも2020年の難易度をチェックしましょう。
2020年度の出題範囲は一般社団法人日本ディープラーニング教会の公式サイトで確認することが出来ます。

科目 出題範囲 問われる知識
人工知能(AI)とは(人工知能の定義) 人工知能の定義や歴史など、基礎的な知識
人工知能をめぐる動向 探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習 ディープラーニング発展に関する知識
人工知能分野の問題 トイプロブレム、フレーム問題、弱いAI、強いAI、身体性、シンボルグラウディング問題、特徴両設計、チューリングテスト、シンギュラリティ 人工知能研究における壁や、議論される問題、解決できない問題など
機械学習の具体的手法 代表的な手法、データの扱い、応用 機械学習に関する技術面の知識
ディープラーニングの概要 ニューラルネットワークとディープラーニング、既存のニューラルネットワークにおける問題、ディープラーニングのアプローチ、CPUとGPU、ディープラーニングにおけるデータ量 ディープラーニングの基礎的事項
ディープラーニングの手法 活性化関数、学習率の最適化、更なるテクニック、CNN、RNN、深層強化学習、深層生成モデル ディープラーニングを使う上で必要となる知識
ディープラーニングの研究分野 画像認識、自然言語処理、音声処理、ロボティクス(強化学習)マルチモーダル ディープラーニングの応用分野に関する知識
ディープラーニングの応用に向けて 産業への応用、法律、倫理、現行の議論 ディープラーニングを利用する際に関連してくる法律や倫理、現行の議論などについての知識

出題範囲を見ると、特にAIとは無関係の仕事をしている方にとってはハードルが高い様に思われますが、合格率や合格者の職種を見る限り、押さえるべきポイントさえしっかり押さえておけば合格出来得る難易度と言えます。

2020年の難易度はどれくらいになりそう?

合格者の増加に伴って2019年度に比べ2020年度の試験は難易度が増したと考えられます。では、2021年度はどうなるのでしょうか?

多くの資格試験では前年度の合格者数・合格率を見て試験の難易度を変えることがあります。ですが、G検定はまだ始まったばかりの資格試験であり、認知度を上げることと合格者を増やすことを目的としているなら難易度が上がる可能性は今のところ低いと思われます。
つまり、例年通り参考書をしっかり読み込んで事前準備をすれば合格できる程度の難易度と予測できます。

2021年度の出題範囲予想

機械学習については毎年難易度が比較的高く問題数も多い傾向にあります。そのため2021年度も同様に難易度の高い問題が出題される可能性は大きいと言えます。
ディープラーニング分野では、2020年度は2019年度に比べ出題範囲が削られ、その分より深い知識を問われる内容が出題されています。2021年度でも広く浅い知識よりも深い知識を問われる内容が出題される可能性は捨てきれません。そのため、参考書の隅々までしっかりと読み込んで対策すべきと言えるでしょう。

G検定の勉強時間はどれくらい?

G検定の勉強時間はどれくらい?

文系の受験者の場合

G検定の勉強時間は人によって大きな差があります。最も勉強時間を確保すべきなのが、高校時代に文系で、エンジニアとして働いた経験が無い人です。G検定で出題される応用数学のレベルは数Ⅱ・数Ⅲレベルの内容となっています。文系だと数Ⅱまでしか取り扱わず、数Ⅲは一切高校時代に学ばなかったということも多いです。しかし、数Ⅲは数Ⅱと比べて難易度が大幅に上がるので、応用数学に時間を割くべきと言えます。
したがって、一切プログラミングに仕事で触れる機会が無い人は大体2~3ヶ月程度の学習は必要であるものと思っておくのが良いでしょう。またこの場合、とにかく継続して毎日勉強時間を確保することが大切です。
G検定は220問を2時間で回答しなければいけないことから問題演習が重要となってきます。そのため、1ヶ月半で基礎固めをし、残りの1ヶ月半は問題演習に専念しましょう。

エンジニアの場合

そして、普段からエンジニアとして働いている人の場合は、テキストに書かれている大半の用語を理解できるレベルであることから、1ヶ月程度の学習時間で合格している人が多い傾向があります。しかし、先ほど解説した通り、G検定はスピード勝負であり、問題演習を怠ったために最後まで解ききれなかったという人も多いので、テキストの内容をすぐに理解できても問題演習だけは怠らないようにしましょう。

G検定は対策さえすればIT業界に無縁でも合格できる!

G検定の難易度はしっかり対策をすればIT業界に無縁な人でも合格できるレベルです。IT業界と無縁な人だと毎日1~2時間程度の学習を2~3ヶ月行うのが目安なので、60時間程度の学習時間が必要となりますが、それでもプログラミングに関しては出題されるので継続して勉強すれば合格できる可能性は高いでしょう。
また、G検定は出題される問題数が多いので、とにかく問題を早く解くことに重点を置いて学習を進めてください。