AI実装検定とは?レベル別の試験概要や難易度、勉強方法を解説

AI実装検定とは?レベル別の試験概要や難易度、勉強方法を解説

AIエンジニア関連の資格として、さまざまな資格が登場してきました。
そのため「どの資格を取得すべきなのだろうか?」と悩んでしまいがちです。

さまざまな資格がありますが、AI実装検定とは、どのような資格なのでしょうか?
難易度や合格するメリットを把握して、受験すべきかどうかを考えてみましょう。

今回はAI実装検定について詳しく解説します。

AI実装検定とは

AI実装検定とは
出典元:AI実装検定

AI実装検定とは、AIEO(AI実装検定実行委員会)が運営している検定です。
AIEPは国内のAI技術の活性化を目的として検定試験を開催しています。

AI実装検定に合格をすれば、AI実装師の称号が付与されて、「AI」「数学」「プログラミング」に関する知識、技術を保有していることが証明できます。

【レベル別】AI実装検定の概要

AI実装検定は3段階のレベルがあります。

S級

S級

AI実装検定(S級)は、AIを実装できる力だけでなく画像処理や言語処理など、応用力を保有していることを認定する検定です。

AI関連の資格の中でも難易度が高いとして知られており、合格をすれば、ディープラーニング実装師 S級の認定証が付与されます。

出題範囲 NLP(20問)

  • seq2seq
  • Transformer
  • HRED
  • Word2Vec (Skip-gram)

Model(30問)

  • VGG
  • GoogLeNet
  • ResNet/WideResNet
  • MobileNet
  • EfficientNet
  • DenseNet
試験問題数 50問
出題形式 選択問題
受験場所 テストセンターCBT形式
試験時間 60分
合格基準 70%
受験料(税込) 33,000円
受験資格 特になし

A級

A級

AI実装検定(A級)は、ディープラーニングの実装に必要な「数学」「プログラミング」「ディープラーニングの理論」を理解しており実装できる能力を認定する検定です。

理系大学生や社会人の方向けのレベルで、AI難関資格のE資格と同等のレベルだと言われています。
合格すれば「ディープラーニング実装師 A級」の認定証がもらえます。

出題範囲 数学(20問)

  • 集合と確率
  • 数列と行列
  • 関数と微分

プログラミング(20問)

  • Numpy
  • Pandas
  • Matplotlib
  • Seaborn
  • Scikit-learn

AI(20問)

  • 入力層と出力層
  • 重み
  • 順伝播の計算
  • 行列の掛け算
  • バイアス項の導入
  • sigmoid関数
  • 正解値の導入
  • 二乗和誤差
  • 誤差の微分
  • 誤差逆伝播法
  • 連鎖律
  • 偏微分
  • アダマール積

 

試験問題数
  • 数学:20問
  • プログラミング:20問
  • AI:20問
出題形式 選択問題
受験場所 テストセンターCBT形式
試験時間 60分
合格基準 70%
受験料(税込)
  • 一般価格:14,850円
  • 学割価格:8,250円
受験資格 特になし

AI実装検定(A級)と同レベルの試験とみなされるE資格について詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

E資格とは?JDLA協会が認定するAIエンジニア資格を徹底解説

B級

B級

AI実装検定(B級)は、AIに興味を持っているけれど全くの未経験者という方も挑戦できる検定です。

検定に合格すれば、AIの基礎知識を身に付けていることが証明できます。また、ディープラーニング実装師 B級の認定書がもらえます。AIの網羅的な知識を問うG検定と同じ程度のレベルです。 

出題範囲
  • AI
  • 学習と推論
  • データとタスク
  • パターン認識
  • 歴史
  • 読み書き表現
  • 計算と整理
  • 開発と運用
試験問題数 30問
出題形式 選択問題
受験場所 テストセンターCBT形式
試験時間 40分
合格基準 70%
受験料(税込)
  • 一般価格:9,900円
  • 学割価格:5,500円
受験資格 特になし

AI実装検定(B級)と同レベルの試験とみなされるG資格について詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

G検定とは?G検定に合格するための勉強方法を解説!

AI実装検定の難易度や合格率

AI実装検定の合格率は、非公表となっていますが、A級はE資格、B級はG検定と同等のレベルだと述べられています

E資格の合格率は、約70%となっていますが、AIエンジニアや研究者が合格しており、業界未経験者の合格率は10%以下となっています。そのため、E資格の難易度は高いと考えておきましょう。
未経験者がE資格に合格するためには、100時間~300時間の勉強時間が必要です。

G検定の合格率も約70%となっていますが、学生などが合格しています。
そのため、E資格と比較すると難易度が易しいです。
未経験者がG検定に合格するためには30時間程度の勉強が必要になります。

AI実装検定に合格するための勉強方法

AI実装検定に合格するための勉強方法

AI実装検定に合格するための勉強方法もレベル別で変わります。
効率的に勉強していくためにも、どのように対策すべきかを把握しておきましょう。

S級

S級では、AIフレームワークを用いた実装問題が出題されます。

実装スキルに重点を置いている検定のため、AIを実装するためのコードを書いてみることが合格の近く道です。特にS級では数学などの基礎知識が問われず、全てAI実装に関する問題となります。
そのため、試験範囲を把握してコードを書きましょう。

A級

A級に合格するためには「AI」「数学」「Phython」の領域の知識が必要になります。

そのため、AI実装検定公式テキストを読んで、全体を把握した上で、ノートに要点をまとめていきましょうそして、AI実装検定の過去問題を解いてみて、間違えてしまったところを復習していきます。
また、A級も実装問題が出題されるため、自分のPCでコードを書きましょう。

AI初学者の方は、公式テキストだけでは躓いてしまうかもしれません。
そのときは、AI関連の勉強ができる入門講座を受講してみましょう。 

B級

B級は難易度が易しいです。AIとは何かの基礎問題が問われます。

AI実装検定の公式ホームページでは、B級を受験するためにおすすめのYouTube動画講座が公開されています。このYouTube動画を視聴しておくとよいでしょう。

しかし、YouTube動画の勉強だけでは少ないと感じるかもしれません。
そのような場合は、G検定の公式テキストを読んだり、AI関連の入門講座を受講したりしておくと合格しやすくなるでしょう。

補足:サンプル問題を解いて判断しよう

AI実装検定の公式ホームページには、S級・A級・B級の検定のサンプル問題が掲載されています。
そのため、サンプル問題を解いてみて、独学にするか入門講座を受講するかを考えることをおすすめします。

AI実装検定に合格するメリット

AI実装検定に合格するメリット

AI実装検定に合格するメリットは4つあります。

AI実装検定に合格するメリット1.即戦力のAIエンジニアになれる

AI実装検定では、実装能力が問われるため、合格すれば「求めているシステムを開発するためにAIを組み込める人だ」と認識してもらえます。

大規模案件では、さまざまなエンジニアが集まりますが、初対面の人に資格保有者であることを伝えられれば「この人は頼りになる」と信頼され、現場でさまざまな業務を任せられるようになります。
そのため、即戦力のAIエンジニアになって、活躍したいと考えている方はAI実装検定を受験してみてください。

AI実装検定に合格するメリット2.就職・転職を有利に進められる

AI実装検定に合格できれば、就職・転職活動を有利に進められます。

特に、AI実装検定のS級・A級はAI実装問題が問われます。
そのため、AI実装検定S級・A級に合格できれば「この人はAI実装能力を持っており、即戦力として働いてもらえる」と採用されやすくなるのです。
そのため、AIエンジニアやデータサイエンティストなどのキャリアを築きたいと考えている方はAI実装検定を受講してみることをおすすめします。

AI実装検定に合格するメリット3.年収アップが期待できる

AIエンジニアの需要が伸びている関係で、各企業で資格手当を支給する動きが出ています。

各企業により方針は異なりますが、AI実装検定に合格すれば5,000円~30,000円/月の資格手当が見込めます。つまり、60,000円~360,000円の年収アップができるのです。
※各企業で資格手当に関する方針が異なります。そのため、勤務先の就業規則を確認してみてください。

AI実装検定に合格するメリット4.ロゴを使用できる

AI実装検定に合格すれば、ディープラーニング実装師のロゴが使用できるようになります。

このロゴを名刺にプリントアウトしたり、ポートフォリオに掲載したりすれば、ビジネスを有利に進めていくことができます。AIエンジニアは不足をしているため、さまざまなビジネス機会に恵まれることでしょう

AI実装検定とは?まとめ

AI実装検定とはAIEO(AI実装検定実行委員会)が運営している検定です。
AIEPは国内のAI技術の活性化を目的として検定制度を運営しています。

検定に合格をすれば、AI実装師の称号が付与されて「AI」「数学」「プログラミング」に関する知識、技術を保有していることが証明できます。
ビジネス機会に恵まれるようになったり、就職・転職を有利に進められるようになったりなど、さまざまな恩恵が得られる検定です。そのため、興味を持った方は、これを機会に受験してみてください。 

当社ではAIエンジニア入門講座を開催しています。
AIに必要な「数学」「ディープラーニング」を基礎から学べる講座のため、ぜひ興味がある方は受講してみてください。

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